薪ストーブの素材のいろいろ
1.薪ストーブの素材
1)薪ストーブの外装(筐体きょうたい、エンクロージャー)
① 鉄:鉄には鋳鉄製(キャストアイアン)と鋼板製(スチール)のものがあります。
・鋳鉄:鋳型に溶かした鉄を流し込んで型を作ります。製造時に細かい空間ができ、それが蓄熱性を高めます。見た目に重厚感があります。
・鋼板:一般的に鋳鉄に比べて蓄熱性は劣りますが、デザイン性が高いモデルが多く存在します。
・エナメル(ホーロー):鋳鉄にエナメルでカラー塗装を施した外装のモデルもあります。
②ストーン:石には天然石と人工石を使用したものがあります。高温に強く蓄熱性が高いのもストーンの特徴です。
・天然石:一般的にはソープストーやサンドストーンが多く使われています。素材感は重厚で高級感が漂います。
・人工石:クラッティングと呼ばれ、耐火性が非常に高いのが特徴です。その他にキャスタブルという不定形耐火物も使用されますが、最外皮に化粧を施すケースがほとんどです。
③耐火レンガ、タイル:粘土を焼成したレンガやタイルは、その素材自体が魅力的です。蓄熱力抜群です。
・耐火レンガ:ペチカやメイスンリヒーターに代表される蓄熱力が極度に高い薪ストーブの外皮素材です。ほとんどの場合、外皮と中身が同じ素材でできています。
・タイル:テラコッタタイルなどを使用して外装を覆えば優雅な薪ストーブとなります。
2)薪ストーブの炉
燃焼室を囲んでいる素材には、外皮と同様に鋳鉄、鋼板、ストーンが一般的です。燃焼室は非常に高温になるため、鉄製ならばより高温に耐えられる鋼板が使用されることが多いです。しかし、日々の使用に耐えられるように、燃焼室の中にさらにもう一枚囲んで耐用性を高めています。
① 耐火レンガ:ペチカやメイスンリヒーターで使用されている素材は耐火性が高いため、燃焼室内にも使用されています。廉価で手に入れやすいため、割れやヒビが入ったら交換しましょう。
② バーミキュライト:外皮が鋼板製の薪ストーブで見かけることが多いバーミキュライト。耐火レンガに比べて保温・断熱性に優れるために使われる機会が増えています。比較的自由に造形できるのでデザイン性の高い薪ストーブで使われることが多いです。